人工知能を活用したヘルステックベンチャー「FiNC」【Dec No.1】

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「ヘルスケアと人工知能」は、近年スマートフォンの普及もあり、急速に成長を遂げている分野だ。

そんな最先端の分野で日々格闘している一人の元銀行マンがいる。

Salon Du Crown 12月連載初回でお届けするのは、株式会社 FiNCの取締役であり、元銀行マンの乗松文夫氏である。

【登壇者紹介】
Salon du Crown 第2期
2017年12月8日(金) 開催
@DIAGONAL RUN TOKYO
 
(スピーカー)
乗松 文夫
株式会社FiNC 代表取締役副社長

天沼 聰
株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO

(モデレーター)
荒井宏之
チガサキベンチャーズ合同会社 共同代表パートナー

ベンチャーとスタートアップの定義

荒井 宏之氏(以下、荒井) 前回もかなりインパクトのあるお二人でしたが、今回もインパクトのあるお二人になっておりますので、圧倒されながらもぜひ一緒に盛り上げていければなと思っております。

まず、ベンチャーとスタートアップの違いについて、言葉が乱立しているので少し整理したいと思います。

組織の規模で大企業と中小企業が分かれてくるのですが、中小企業はいわゆるスモールビジネスを行なっています。

その中で、ベンチャーとスタートアップでは定義が若干変わってきます。

スタートアップというのは、社会に価値を提供する新しいビジネスモデルを開発し、短期間でエグジット(上場や買収)を目標としているチームがスタートアップと定義されています。

ベンチャーとは、革新的なアイデアや新しい技術で新しいサービスを提供しており、中小規模で
成長過程にあるものがベンチャーとして定義されています。

楽天、GREEやDeNAはこのままの延長線上で大企業になっているので、メガベンチャーと位置付けられているイメージになります。

お二人にはこの後自己紹介していただきますが、それぞれの会社がどの辺りに位置付けられているのかというのも踏まえてお話をお願い致します。

大企業からスタートアップへの転職の決意はふとした出会い

乗松 文夫氏(以下、乗松) FiNCは、最先端の人工知能を活用したヘルステックベンチャーが実現する世界という題目でお話いたします。。

現在は、有楽町のビックカメラの前に本社がございまして、従業員が170名、インターンを入れまして220名ほどいます。

ANA、KAGOME、キューピー、三菱地所、明治安田生命、第一生命などのそうそうたる企業様からご出資をいただいております。プラットフォームを作っている会社ですので、うちと手を組むと何か面白いこと出来るんじゃないかなという想いから、出資していただいていることが多いようです。

3週間程前の日経新聞の一面で想定時価総額の上位10社が掲載されていましたが、FiNCが第8位にランクインしておりました。これを見た本人もびっくりしているのですが、とてもありがたいお話ですし、大いに宣伝になります。

オフィスは、保守的な三菱地所の中にいきなり雰囲気が違う空間が広がっております。時には、ヨガイベントも開催しております。

私は、1949年生まれで現在68歳の前期高齢者です。会社では唯一20世紀前半の生まれですね。日夜老人をこき使う会社で働いております。
(会場 笑)

遡りますと、日本興業銀行の銀行マンをやっておりました。その銀行で役員をやりまして、2~3社の社長をやった後、心境の変化がございました。

東日本大震災で人生観が変わりまして、ボーッとしている場合じゃないぞと思いました。のんびりしてちゃいけない、なにか出来ることはないかなと思いまして、環境未来都市構想に参画して、大船渡市や陸前高田市などの復興に走りまわっていました。

そうこうしているうちにFiNCの溝口社長との出会がありました。若いながら、とてもしっかりした理念を持ち、社長で東京で起業している社長がいるよ、ということで紹介され、2014年5月に溝口社長と会いました。非常に想いも強くリーダーシップもあり、一緒にやったら面白そうだなと思いました。ほとんど会ったその日に決め、気がついたらこの会社にワープしていました。

ベンチャーに転じて生活は一変。孤独との戦いからチームアップし成長へ

7月に入社したのですが、生活一変です。

とても狭い場所で私、溝口社長もいて、エンジニア、デザイナーや管理栄養士も居たりして、ぎゅうぎゅう詰めの状態でした。朝になると机の下とかで寝ているんですね。人間につまずいて転んだりして大変でした。

当時はですね、ベンチャー特有の重圧もあったり、孤独との戦いということで、私も部屋の片隅で一人パソコン作業をしたりとか、本当に環境一変でした。

成功の保証はないわけですから、「うまくいかなかったら化けて出てやる」とか冗談で言っていました。

FiNCの強みとして、33歳の若い社長に、経験豊富な68歳の私、それから興銀の後輩でゴールドマンサックスに行った小泉を呼び、3代表制を敷いているのが、バランスの面でもとても良いと思っています。

南野という天才的なエンジニアがおりまして、彼のおかげでいろんなエンジニアが集まっており、あらゆる開発を爆速でやっているという会社でございます。

社外取締役では経済同友会の副代表幹事で元ボスコントップの御立さんや、アドバイザーとして人工知能の権威、東大の松尾先生など多くの方々に支えられているのが強みです。

更に圧倒的な自社開発体制ということで、24時間昼夜問わず、完全に内製化してAndroidでもWebでもAIの関係でもやっています。アプリも年間で186回アップデートしており、バグが見つかったりお客様のニーズがあればすぐ直します。

現在はグローバル展開も視野に入れておりますので、20カ国近い国の方々が働いています。色々な方に今から働いてもらって、世界に出た時に臆する事なくやっていこうと思っております。

サービスの特徴はAIによるパーソナルコーチ

サービスの特徴は、すべての人にパーソナルコーチをという事で、集積した膨大なビッグデータをアルゴリズムで解析し、その人に相応しいソリューションを提供しております。無料のアプリでもそういう機能は提供されておりまして、その人にあった運動や栄養の提案を行っております。

朝起きるとスマートフォンで「今日も睡眠が短かったね」と出てきます。睡眠時間を自動推定する仕組みを今年度中に提供予定です。スマホさえ持っていれば、自動的に睡眠時間を計測してくれるようになります。

あと、姿勢の分析も12月からリリース予定になっておりまして、自撮り2方向から撮ると、どの程度猫背になっているのかが分かるようになったり、生活によって様々な提案をしていきます。

例えば、「甘いもの食べちゃダメですよ、その代わりにこんなもの食べてね」というようにその人にあった提案をどんどんしてくれるのがFiNCが提供するアプリです。

綺麗に痩せるトレーナーアプリを標榜していまして、スマホを持っているだけで自動的に歩数も計測できたり、この機能を使って、遠く離れた両親の見守り機能に使うこともできます。

実は、弊社の動画は私がモデルをやっておりまして、シミとかシワもつけ10歳年寄りのおじいちゃん役をやりました。

SNSのようにお互いが繋がり合えるようになります。お互いがなにを食べているのかや体重もフォローしたりとか家族同士がつながることが出来ます。これからもセンサーで次々に色々なデータを入れていこうと思っていまして、体重や歩数は自動的に入ります。ゆくゆくは、姿勢や睡眠に続いて、心拍数や血圧なども入れたいですね。

私の動画、最後に歩いてる姿が出てくるんですけれど、できるだけ老人のようにヨタヨタと歩いてくださいとかうるさいんですよ。いつもスタスタと歩くんですけれど、シミのついた顔で本当に嫌でした。

あとは法人サービスですが、月額500円で10人までIDを発行して色々なサービスを提供しております。エンゲージメントやフィジカルを分析しまして、それを部署別や年代別に分析することが出来ます。

また、どうして出社しているのに具合が悪い人がいるのか、どのくらい生産性が落ちているのかなども出しております。

リアルな人間が指導するプログラムもありまして、日本交通さんの事例ですが、2ヶ月間指導しますと痩せますし中性脂肪や血中データもよくなる実績が出ております。

最終的にはヘルスケアのプラットホームというインフラを創り、ICTとパーソナルデータを組み合わせた個々人にあったソリューションを提供していきたいと考えている会社です。

最後になりますが、12月に月額960円で利用できるFiNCプレミアムをリリースしました。あらゆる専門家にチャットで質問をすることが出来るサービスです。肌の様子やストレッチの仕方、スキンケアや食生活を相談することが出来ます。

そして、様々なジムさんを都度利用できたり、歩くと5倍ポイントが貯まるようになっています。1ヶ月歩くと、だいたい800-900ポイント溜まってその分のお買い物が出来ますので、月額料金を払っても実質ほとんどタダで使えます。

あと、プログラムを使っていただいている間は、14000円相当の体重計をレンタル出来ます。うちのEコマースで6980円で販売していますが、Wi-Fi付きで体組成計機能もついております。

12月になると姿勢の分析も出来るような機能もついたり、いずれは食事を写真で撮ると分析できたりとか、チャットで保険に申し込んだりライブ動画の配信もこちらのサービスに将来的に組み込んでいきたいと思っております。

ご静聴ありがとうございました。

(続)

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