大企業からベンチャーへの転身 〜下積み、経験、出会い、共創【Dec No.3】

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「大手に入社できれば一生安泰」、それはもう過去の話になっているのかもしれない。

天沼氏と乗松氏に共通しているのは、自分の「直感」に従っているということ。

自分に素直に、未来を自分で選び、切り開かなければ置いていかれる時代が来ているのではないだろうか。

【登壇者紹介】
Salon du Crown 第2期
2017年12月8日(金) 開催
@DIAGONAL RUN TOKYO
 
(スピーカー)
乗松 文夫
株式会社FiNC 代表取締役副社長

天沼 聰
株式会社エアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEO

(モデレーター)
荒井宏之
チガサキベンチャーズ合同会社 共同代表パートナー

荒井 次のテーマが、大企業からベンチャーへの転身に関してですが、なぜ転職しようと思ったのか、先ほど乗松さんは出会いがあったとの事でしたが、そのあたりを伺いたいと思います。

まず、乗松さんお願い致します。

「この夢を一緒にやるとなにか面白いことができる」

荒井 65歳の時に転職されていますよね。

乗松 そうですね、社長とは3周り違いでかなり珍しい組み合わせです。

よく聞かれるのは「あんな若い社長で一緒にやっていけるのか」や、逆に社長の知り合いの方が来ると「こんな爺さんとよく一緒に仕事できるね」と言った声はよく聞きますけれど、それはそれで面白いなと思います。

荒井 その前は、興銀やみずほ銀行の後に何社か移られてますよね。

乗松 食品会社の社長をやったり、中堅の商社の社長をやりました。やることは多いですが社長業って比較的、気楽です。

そんな中に3.11が起きて、日本が沈没寸前なのに人生こんなのんびりしていていいのかなと思い、困っている人がいるなら会社を辞めてお手伝いに行こうと。

そこで色々な新しい体験も出来るかなという若干興味本意の理由もあったのは事実です。

実際に行ってみると、太陽光発電所の新設や水産業振興のお手伝いをしたり、ICT連携といって医療と介護の現場と自宅をつなぐといったような事をしておりました。

本当にやる事盛りだくさんだなと思ってやっておりまして、そんな時にFiNCの溝口社長に会ったんですね。

荒井 転職する際に、他にもベンチャーの候補はあったんでしょうか。

乗松 全くありませんでした。すでに65歳になっておりましたし、ちょうど仕事もひと段落した状況でした。

そろそろのんびりしようかなと思っていた矢先に、今までになく大企業とは違った刺激的かつ新鮮な感じで、「若い人がこんな夢持っているんだ」と思いました。

「この夢を一緒にやったら何か面白いことできるかな」と瞬間的に思ったんですね。なので、妻にも全く相談をしませんでした。「東京でベンチャーで働くから」と伝えたときは妻にびっくりされました。

若者×大人。それぞれの強みを活かして共創する

荒井 最近はベンチャーの大人×若者というのは増えてきてはいると思うのですが、なんとなく先生と生徒みたいな関係になってしまうんではないかなと思うのですが、お二人はその辺りはどうですか。

乗松 それが全然違うんですよ。

若者なのにすごくロジカルでリーダーシップがあり、かなり理屈っぽくて上から目線なんですよ(笑)

ただ、そういった突撃する突破力みたいなものが凄いんですよ。

私も経験上リスクがどこに潜んでいるのかなど仕事をする上で必要な能力は結構敏感に持っている方なので、「これやばいんじゃない」とか「こうやって進めたらいいんじゃない」とかを結構差し込むと、もしもこれが3歳違いの経営者だったり、同じ志を持っていても同級生がやったりするとぶつかると思うんですよ。

僕と彼の間でも時として激しくやり合いをします。今は、もう一人の副社長が入ってきて3代表でやっていまして、相当激しくぶつかりますが、最後はいいバランスで収まるようになります。

また現実問題として、今はものすごく忙しいので、1人の社長だけで全てをカバー、クリアするのは結構大変です。

その点、代表権がありますので代表取締役という意味では、どこに出てもそれぞれの役割を分担して担うことができるんですね。

なので、同時に3つの大事な商談を同時並行で進めることが出来るというのは非常にいいことです。

起業に向けた経験を積む下積みとしてのサラリーマン時代

荒井 天沼さんは楽天を経て起業ということですが、キッカケはなんだったのですか。

天沼 もともと起業をしようと思っていて、大学時代の頃からなにをやろうとかはなかったですが、漠然と起業をしたいという気持ちはありました。

チームでなにかを成し遂げるとか、チーム戦が好きです。

コンサルもプロジェクトチームでチーム戦だなと思って入りました。

キャリアという考え方をするととてもシンプルでして、最終的にはシリアルアントレプレナーとしてのプロフェッショナルになっていきたいという夢があるんですね。

そこに向けて、大学卒業したてでイギリスから帰ってきた時に、自分はなにが足りないのかと問うたんですね。まぁ、色々と足りないんですね。

社会人経験も足りませんし、起業した経験も足りないというように足りないものを並べていって、をれに対してどのような経験をすればいいのかというのを考えました。

そして、一番初めにコンサル業界でベースとして社会人スキルを学びました。その後すぐに起業ではなく楽天に入社した理由は、自分に足りないものが3つあったからです。

1つは、グローバルで仕事をした経験がありませんでした。自分が経営者としてやっていくのであれば、グローバルでの修行経験が必要だと思いました。

2つ目は、コンサルタントってプロジェクトマネージメントを学べるのですが、ゴールが決まっています。期限も決まっていて、明確なゴールがあるチームをマネージメントすることと、スタートアップやいわゆる組織をマネージメントするという事って全く違う事だなと思いました。なので、組織をゼロから立ち上げるという経験をしてみたかった。

3つ目が、グローバルと組織を作るに付随して、コンサルタントって一人種なんですね。全員がプロジェクトマネージャーを目指していますというように。

ですけれど、起業をイメージしたときにバックグラウンドも違うし、兄弟や親も違う人と組織として自分がまとめるのならどのようなマネジメントスタイルなんだろうなと考えたときに、あまり浮かんできませんでした。そのため多種多様な人がいる場所にいたいなと思っていました。

そんなときに楽天に「組織をゼロから作って欲しい、そしてグローバルの各拠点を支援するチームを作って欲しい」という内容の求人があったんですね。

例えば、ウェブアナリティクスのメンバーも必要だし、SEOのメンバーもデザイナーもエンジニアなどの多種多様な人が当然必要だなと思いました。これは何かのサインだと思い、すぐに転職を決意しました。

そして、日本国内でゼロイチからグローバルで戦える組織づくりでうまくいっている方って孫正義さんか三木谷さんかなと思っていました。

私はすごく凡人なので、三木谷さんのように自分でちゃんと表現をして三木谷さん自身が組織を引っ張っているというようなスタイルの方が自分には合っているなと思いました。

孫さんって天才肌すぎなんですよ(笑)

楽天かソフトバンクのどちらかだなと思っていたときに求人があったんで、転職を決めるという経緯がありました。

目的意識を持ちながら、それにあわせて環境をつくる

荒井 それって働きながら考えが固まっていったのか、それとも例えば正月からホワイトボードに向かって自分の目標考えますってやっているのか、どちらですか。

天沼 前者ですね。時間をとって考えるというよりも常に考えているというタイプです。

荒井 そういう時ってメモをとって忘れないようにしていますか。

天沼 いえ、特にしていないです。大事なことって忘れないと思いますから。

今回のテーマに沿うこととして一つあるとすれば、個人的には経営者として環境づくりが大事だということ。

好きなことをやれることが一つの経営者のメインの役割だと思っています。それを学びたいなと思っているのがコアな部分であると思います。

組織づくりがすごく好きです。

(続)

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