世代を超えて価値あるものを提供するために必要なこと【Nov No.6】

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目の前の仕事を終わらせることに集中し過ぎて、本当のお客様がどこにいるのかを考えられているだろうか。

情報が飛び交う現代で、パソコンを閉じ、”その先にいるお客様は誰なのか”を考える機会を持つことの大切さを語る連載第六回。

【登壇者紹介】
Salon du Crown 第2期
2017年11月6日㈪ 開催
@DIAGONAL RUN TOKYO

(スピーカー)
牧野 仙以知
株式会社マイセンファインフード
代表取締役社長

丸山 孝明
農業プロデューサー
株式会社代官山ワークス 代表取締役社長
株式会社グリーンストーリープラス 取締役
北海道食べる通信 プランナー

(モデレーター)
金丸 美樹
森永製菓株式会社
新領域創造事業部
チーフマネージャー

<誰のためにやっているのかは、世代は関係ない>

金丸 お二方とも辛い経験を前向きに次のエネルギーにされているんだと感じました。

食品ってすごく固い業界だったと思うのですが、例えば無農薬がいいよねと言われてきていたりと、今すごく業界が変わってきていると思います。

今日は20代の方から幅広い年齢層の方がいて、いろんなキャリアを積まれてきていると思うのですが、そういった幅広い年齢層と仕事で付き合う時のアドバイスや、古く固い業界で新しいことをしていく時の秘訣のようなものがあれば教えていただきたいです。

丸山 僕自身も農家の息子だったのですが、業界的には圧倒的に高齢者の方が多かったです。

法律関係など農業を苦しめることはいっぱいありますが、我々よくやっているのが『立ち返る』ということをやっています。

誰のためにやっているのかというのは、世代は関係ないんですね。

よく言いますが、クライアントがいたらクライアントの為に仕事をするのか、その先のクライアントのお客さんの為に仕事をするのかという事ですよね。

クライアントのその先のお客様をどうフォーカスして見ていくかが大事。

それはは農業も同じで、やはり生産者というのはJAとか目の前のことばかりに目線がいきがちですが、本当のところ消費者はどうなっているのというところを意識して、生産者を指導して「お前、誰のために作っているんだよ」という事を口すっぱく言っています。

金丸 それは大企業も同じで「上が言ったから」「トップが言ったから」となりがち。でもそれは違うという事ですよね。本当はその先にお客様がいる。

<目指す世界は、自分たちがいなくなって、世界がより良くなっていること>

牧野 本当に「陸王」ですよ。第一話で銀行が金を貸してくれないと。

じゃあ、銀行が貸す相手の企業のこと応援してあげないで、なんで銀行という役割があるんだと。まさにそんな感じです。

いつか言おうと思っていました。

金丸 それは、常々社内でも、これは誰のための、なんのためみたいなことは社長から言ってらっしゃるということですか。

丸山 もちろん。

究極は、僕たちがいなくなることだと思ってます。いなくなって世の中が良くなることが一番。だから、これから僕たちは自分の仕事をなくす努力をしていかなければならない。

我々がいなくても農家が勝手に流通をして。野球選手、農家、Jリーガーのようになりたい職業に入ってくる。

そうなったら、うちの会社はもういらないのかなって。その時は、みんなで畑に行こうと。みんなで農家やろうぜと思っています。

<社長が率先して夢を語り、活き活きと働く>

金丸 社員のみなさんと朝までカラオケやったりしてると聞きましたが、やはり誰かのためにということで集結できるということですかね。

丸山 そこが見えてないと仕事もつまらないじゃないですか。

パソコンを開いたらパソコンと向き合ってしまう。パソコンは仕事じゃなくて作業だと。

「本当の仕事はパソコンに向き合わない事だから、早くパソコン閉じろ」と言うと、それじゃ仕事がちょっとみたいな。

飴と鞭を使い分けていて、鞭はしっかりと言います。しかしやはり飴的なところもしっかりと作るようにしています。

うちの会社は今、徳島県に事務所があるのですが、年に何回かは会社が交通費を出してどっちのオフィスに出勤してもいいような制度を今作っています。

神山町で温泉入りながら仕事してもいいし、東京でがっつり働くのでもいいしといった飴と鞭を作っています。

我々農業なので、自分たちで農地を借りて、開墾することもやっています。これから我々も旅行代理店の免許を取って、ツアーを組んでいきたいなと思っております。

やはり色々な夢を社長が語らないと社員は辟易します。

<理屈だけではダメ。一緒に汗をかいてこそ協力が得られる。共に理想を掲げられる>

牧野 僕は、34歳で農業の世界に入って、まさしく農業の世界では若手なんですね。なのに今でも若手と呼ばれるんですよ。

爺さんとかとても多くて、僕は生意気な事をたくさん質問しているわけですが、私が田んぼを70ヘクタールという小さな面積で始めて、今は150ヘクタール(東京ドーム48個分くら)それと協力してくれる農家さん150ヘクタールで合わせて約300ヘクタール程になったのですが、それは爺さん達と仲良くしたおかげかなと僕は思います。

クソ生意気な事をいっぱい言うのですが、教えてもらいながらこんな風にしたら良くなるんじゃないですかと共に言い合いをするんですね。

農協のツアーではなく、自分でツアーを考え、自腹を切ってあちこち連れていってみる。

固い話だけだとダメだから温泉に入ってもらいながらという勉強会みたいなのをやっていったら、牧野はちゃんと勉強しているんだなと分かってもらえました。

逆に、一生懸命作ってくれているのを分かっているので、それらを言い値で買い取るんですね。

正しいと言ったらおかしいかもしれませんが、自分が思うような勉強会で同じ農法で作ったものは私が責任持って買い取りますよとなったから、田んぼや農産物が結果的に集まってきたのかなと思っています。

理屈ばかり言うのは簡単ですが、やっぱり一緒に汗をかかないと誰もついてきません。

社員にしてもそうで、理屈はちゃんと言います。

僕が34歳の時はみんなまだ若い社員さんばかりでしたけれど、自分が歳をとるにつれて段々と色々な年代の人が増えてきました。

今は生産工場もありますので、一緒になって工場に入って、あーだよね、こうだよねと言って初めてちゃんと動いてくれるんですね。
そして、理想は掲げます。

10項目のクレドを毎日念仏のように言ったり、感想を言ったりして刷り込ませんるんですけれど、頭でわかるだけでなかなか実際の行動には移してはくれないんですね。

どうしたら行動になるかという事例を交えながら考えて落とし込む工夫はしています。

(続)

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